日中国交正常化以降、特に中国の改革開放後に大勢の若者が海を越え中国から日本に渡り、勉学や仕事に夢を求め奮闘してきました。中国経済の高度成長に伴い、日中経済関係が深く交じり合うにつれ、新華僑と言われる彼らの中の多くが機会を掴んで創業し、日中両国間の技術、マーケット、労働力、そしてコストなどそれぞれの優位性をうまく発揮して、日本社会に根を下ろし、徐々に日中両国の経済交流に無視できない存在となりました。
ビジネスには交流とネットワークが付き物です。老華僑の有志や中国企業の在日法人などの積極的参画を得て、1999年9月9日に新華僑が経営する企業を主体とし、一般日本企業も賛助会員として含める日本中華商会が誕生しました。中国改革開放の時代潮流の中、日中経済が深く絡み合う環境において、日中両国各方面のご支援とご協力のお陰様で、また会員皆様の積極的な参画と果敢な実践により、總商会が在日華僑華人の最も代表的な経済団体に成長して参りました。ここで私は日本中華總商会理事会を代表して、会員の皆様にお祝いを申し上げますと共に、ご支援とご協力を頂きました全ての皆様に心より感謝を致します。

中国に「飲水思源」（水を飲みて源を思う）という諺があります。總商会設立20周年に当たり、私たちは会の準備と発足に心血を注ぎ尽くした先輩の方々に改めて敬意を捧げたいと思います。また会の活動に積極的に参画そして貢献して来ました会員の皆さんにも感謝を申し上げます
過去を振り返り、日本中華商会の発展は、「商」、「中華」、そして「日本」の三つのキーワードをぬきにしては語れません。
先ず、總商会の基軸が「商」、即ちビジネスにあります。会員へのサービス提供を宗旨とし、会員交流のプラットフォームの構築を使命とすることです。

次に、「中華」というリソースを生かすこと。ビジネスを念頭に中国と連携して、日本と中国の経済貿易等領域における協力を推進し、また世界の華僑華人団体や企業との交流を増進することによって、会員のビジネス活動を支援します。
更に、總商会は日本社会に根ざす会員企業によって構成されるため、日本社会殊に日本経済界との交流が会員企業の発展、しいて日中経済交流の新しいプラットフォームの構築に極めて重要です。長年努力のお蔭で、總商会が日本商工会議所、経団連、経済同友会など日本の経済団体と良好な関係を持つようになり、定期的な交流活動を行っています。

商会は今約400社の企業会員を擁し、在日華僑華人が経営する代表的な企業をほぼカバーしています。また、中国の各地域出身の在日経営者が組織する地域団体約20団体が加盟していることから、總商会の代表性をより高めています。加えて、約100社の有力な日本企業が参加され、日中経済交流の促進と總商会の日本社会への融け込みに大きな役割を果たしています。さらに、関西中華商会や新潟中華總商会に代表される直属分会の活動も益々盛んになってきています。各方面からの強いご支持・ご支援のお蔭様で、總商会の役割は日々著になり、団体としての機能も向上し、社会的地位も各界から広く注目されるようになりました。

今後外部環境が激しく変化することは言うまでもありませんが、總商会としては華商へのサービス提供を堅持し、会員および各方面との交流プラットフォームの構築を使命とする初心を忘れず、「商」「中華」「日本」の三つの軸から逸れず、より多くの在日華商を団結して、自らの強みを発揮し、華商事業の発展と日中経済貿易関係の深化に新たな貢献をして参りたいと思います。引き続きのご支援ご指導を心よりお願い申し上げるしだいです。

2020年3月吉日